GMAT文法無料レッスン 名詞③ 代名詞その1

代名詞は、主として名詞の繰り返しを避けるために用いる語です。代名詞には、「人称代名詞」、「指示代名詞」、「不定代名詞」、「疑問代名詞」、「関係代名詞」の5種類があります。このうち、「疑問代名詞」は疑問文の文頭で使われる[what]や[who]などのことで、今回のレッスンでは扱いません。「関係代名詞」については別に項目を設けて説明します。

GMAT SCにおいて、代名詞絡みで主に問題となるものは、「人称代名詞」と「指示代名詞」です。「不定代名詞」に関するごく単純な問題も時折出てきます。ここでは主にこれらについての注意点を述べておきます。

1 代名詞の種類

・人称代名詞:「人」を指す代名詞および[it]がこれにあたります。

I, it, you, she, we, they, those, mine, yours, themselvesなど。 

・指示代名詞:「これ」、「あれ」など、文中の語を指す言葉です。

this, that, thoseなど。 

・不定代名詞:不特定の人、物、事を表す代名詞です。

one, some, all, noneなど。

2 代名詞の一般的用法

代名詞の主な用法として、以下の三つがあります。

①「文中に存在する特定の名詞を指す」

The new process introduced by the company sounded plausibe, but it doesn’t work really well.

②「文中に存在しないが、文脈等から推測できる名詞を指す」

What language do they speak in Japan?

③「文またはその一部の内容を指す」

You must wait until she come. That is only thing you can do.

3 GMAT SCにおける代名詞の出題ポイント

上記の一般的用法のうち、GMAT SCで認められているのは①のみです。GMAT SCでは、「不定代名詞」を除き、代名詞は必ず文中に書かれている特定の語句を指し示している必要があります

つまり、GMAT SCにおける代名詞の出題ポイントは、代名詞の「数」、「内容」および「明瞭性」です。代名詞が出てきたら、常に以下の三点をチェックする習慣をつけておきましょう。

1. 代名詞とreferentの数が一致しているか

2. 文中に被指示語(以下referent)が存在するか

3. 代名詞とreferentの関係は明瞭か(他にreferentになりうる名詞が文中にないか)

上記の一般的用法②および③のケースでは、文中にtheyやthatで指せる単数の名詞がありません。通常の英語表現としてはこれらはごく一般的ですが、GMAT SCでは原則としてアウトになります。

では出題ポイントについてもう少し詳しく見ていきましょう。

3-1 代名詞とreferentの数の一致

 代名詞とreferentの数の一致に関するエラーは、GMAT SCの頻出パターンの1つです。「単数名詞は単数代名詞で、複数名詞は複数代名詞で受ける」というごく基本的な事柄ですが、見落とさないように注意が必要です。

 ×Not every individual offered their opinion, but many opposing viewpoints came to light later.

○Not every individual offered his opinion, but many opposing viewpoints came to light later.

 [every]が付く名詞は単数ですから、theirで受けることはできません。

 ×Many a man returned home from those races with less money than they had in the morning.

○Many a man returned home from those races with less money than he had in the morning.

 [many a + 名詞]も単数扱いです。

 ×Those of us who are over fifty years old should get his blood pressure checked regularly.

○Those of us who are over fifty years old should get our blood pressure checked regularly.

 [those of us]を受ける代名詞は[our]です。his/theirなどは誤り。

3-2 referentの有無と明瞭性 

人称代名詞や指示代名詞を使う場合、必ず文中にreferentが書かれていなくてはなりません。逆に言えば、文中にない語を代名詞で表すことはできないことになります。「指すべき語句がない代名詞」は常に誤りとなります。

また、文中に名詞が複数ある場合、代名詞がどの名詞を指しているのかが曖昧であるものや、文脈上それほど曖昧ではなくても、「誤読の余地あり」ということで不正解となるケースが多々あります。

これら二点も頻出のエラーパターンです。さらに、「代名詞で指すことができないもの」をしっかりと認識しておくことが肝要です。

・referentが存在しない

×Since members of a cultural group usually have similar experiences, the meaning of each word used by it is shared by all of the members.

○Since members of a cultural group usually have similar experiences, the meaning of each word used by them is shared by all of the members.

「メンバーによって用いられる言葉の意味は」です。[a cultural group]が言葉を用いるわけではないので、itの指すものが文中に存在しないことになります。

×Because the company have sold much less for two consecutive quarters, its executives are now planning to upturn it.

○Because the company have sold much less for two consecutive quarters, its executives are now planning to upturn the trend.

後述の「代名詞で指せないもの」とも関連しますが、ここでは、「好転(上昇)させる」のは「2期続けて販売が減ったこと」、つまり「下降傾向」です。前文内容を代名詞で指すことはできないので、[it]で指せるものが文中にありません。このようなケースでは、[the trend]のように的確な語を追加する必要があります。

・referentが複数ある

×New highways do not always bring benefits to communities; on the contrary, they can do real harm by increasing air pollution.

○New highways do not always bring benefits to communities; on the contrary, new highways can do real harm by increasing air pollution.

[highways / benefits / communities]という複数形の名詞が三つあるので、[they]がどれを指すのか曖昧です。このような場合には、もう一度名詞を書き出す方がベターとされます。

×Although the new product introduced by company X has been said to soon replace the current most popular models made by company Y, it has not announced any countermeasure against it.

○Although the new product introduced by company X has been said to soon replace the current most popular models made by company Y, company Y has not announced any countermeasure against the product.

[the new product, company X, company Y]のいずれも単数名詞ですので、主節の二つの[it]は共に何を指すのか明瞭とは言えません。

3-3 代名詞の誤用

GMAT SCでは、「仮(形式)主語/目的語のit」以外のあらゆる代名詞は、文中にある語句そのものを指していなければなりません。誤った代名詞の使い方の代表的な例は以下の通りです。

・前文またはその一部の内容を指す代名詞:

前文内容を受ける関係代名詞のwhichと同じく、前文内容を代名詞(it/thatなど)で指すことはGMAT SCでは誤りとされます。

×The railroad service was suspended. Someone told me it was because of the landslide.

○The railroad service was suspended. Someone told me the suspension was because of the landslide.

「鉄道がストップしていること」を[it]で指すことはできません。

×The company’s stock prices has been said to go down in a few days, and many stock holders seem to believe that.

○The company’s stock prices has been said to go down in a few days, and many stock holders seem to believe the rumor.

「その会社の株価が下がるであろうと言われている」を代名詞thatで指すことはできません。

・[X's Y]のXを指す代名詞

[John's car]のように、名詞に所有格の名詞や代名詞が付いている場合、原則として、前の名詞のみ(ここではJohn)を代名詞で指すことはできません。

×I have not seen John’s new car yet, but I know he is very happy with it.

[John's]は1つの形容詞として機能しており、[John's (new) car]はまとめて1つの名詞だと考えられます。この文中には[John]という独立した名詞は存在しないので、これを代名詞[he]で指すのは避けるべきです。

×The major defect of the company’s plan is that it does not consider the long-term effects of the price cut.

これも同様です。[company]という独立した名詞は文中にないので、[it]で[company]を指すことはできません。

・文中の名詞を指すと意味がおかしくなるケース

×The great hurricane caused enormous damage to Iowa. If it should happen in Tokyo, it will totally devastate the whole city.

○The great hurricane caused enormous damage to Iowa. If a hurricane with the same power should happen in Tokyo, it will totally devastate the whole city.

[it]は文中の[the great hurricane]を指すので、「《アイオワに損害を与えたハリケーンそのもの》が東京を襲えば….」という意味になってしまいます。「アメリカ中西部と東京を、全く同じハリケーンが襲う」と考えることは常識的に無理があるので、「同じ強さのハリケーンが…」と表現する方が適切です。

出題される可能性は低いですが、このように、文法的には指すことができる名詞が文中にあるとしても、それでは意味を成さなくなってしまうケースもありますので、意味にも注意しながら読むようにして下さい。 

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今回のレッスンは、代名詞に関する最も基本的かつ重要なポイントについて説明しました。

要するに、「代名詞は、文中に書かれている特定の語句のみを指すべき」だと覚えておけばよいでしょう。

次回は、代名詞の出題ポイントのうち、いくつかの細かい項目についてお話しする予定です。

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